合成皮革に意匠性を持たせる加工として、板(版)を用いたシルクスクリーン方式の転写加工(捺染加工)をご提案しております。細やかな柄や独自の質感表現を実現するために、作業は機械任せではなく、職人が生地と版の状態を見極めながら進めていきます。力加減・材料量・版の密着状態といったわずかな差が仕上がりに影響するため、経験に基づく判断と、丁寧で繊細な作業が欠かせません。
実際に使用している板
まず、専用の版を使用して生地表面に加工材を均一に載せ、意匠層の基礎を丁寧に形成します。写真のように、材料をしっかりと行き渡らせながらもムラを出さない仕上げは、熟練した技術によって支えられています。微細な柄だけでなく、柔らかなテクスチャーや不規則なパターンなど、表現の幅を限定しない加工が可能です。
転写後イメージ
スクリーン作業を経た生地表面には、このように意匠層がしっかりと形成され、柄のニュアンスが浮き立ちます。細かさ・濃淡・密度・配置によって印象が変化し、無地素材では出せない表情を生み出すことができます。
こちらが、弊社の定番商品「フォスターエナメル」にドット柄の転写プリントを施した「タイニードットエナメル」の仕上りイメージです。細かなドットが均一なピッチで並び、エナメル特有の光沢と相まって、上品で清潔感のある表情を生み出しています。単色にはない軽やかさや柔らかい印象を加えたい場合にも適しています。実際に「タイニードットエナメル」を使用した製品例として、婦人靴パンプスをご紹介いたします。

エナメル素材ならではの艶感に、小さなドット柄が均一に並び、上品で可憐な印象に仕上がっています。
実際の製品化においては、つり込み(立体成形)や縫製時に柄が歪んだり、つぶれてしまうケースもありますが、「タイニードットエナメル」は、スクリーン転写による意匠層形成により、立体成形後も柄がクリアなまま視認できる点が特長です。寄りの写真からも分かるとおり、ドットの形状は丸みを保ち、輪郭のシャープさも失われません。
当社では長年にわたり、確かな技術力と品質管理体制を持つ加工業者様と強いパートナーシップを築いています。案件ごとの仕様や企画意図を共有しながら、加工条件の調整や試作検証を柔軟に進めることができるため、難易度の高い意匠表現についてもご相談いただける体制が整っています。